【おそれ・楳図かずお】劣等感をこじらせた！【感想・レビュー】

　完璧な人間が転げ落ちる様に興味はありませんか？

　そんな人には楳図かずお先生のおそれがおすすめです。

　美人で優しい姉が妹の嫉妬を買いに買いまくり、恋人を紹介したことをきっかけにして、ついにハシゴを外され高転びします。

おすすめ度	4.5
劣等感	5.0
狂気	4.5
サスペンス	4.0

妹、フルパワーで姉を陥れる

　幼いころから美しい姉に対し強烈なコンプレックスを持っていた妹。

　何とか耐え続けていたが両親が亡くなり、姉が家に恋人を連れてきたことで、ついに不満が大爆発。姉への復讐を即断即決する。

　まずは事故を装って姉に大けがを負わせ、姉の恋人を奪いにかかり、次いで姉をそそのかして連続殺人を起こさせる。そして恋人を奪えないと見るや、無理心中させる。やばいよ、この人…。

妹の責め苦

　姉に対し容赦ない仕打ちを繰り返す妹ですが、要所では良心の責め苦に遭う様子がうかがえます。

　毎晩聞こえる姉のすすり泣きに胸を締め付けられ、日に日に狂っていく姉を見て涙を流します。

　まあ、それでも復讐は最後までやり遂げてしまうので、所詮は人の姿をした鬼畜、といったところでしょうか？

途中、ターゲットを追加しちゃう

　妹は姉の看病もあり、しばらくの間休学していました。

　そして久しぶりに学校へ行くと、なんと思い人がドロボー猫に奪われており、さらにつるんでいた友人もドロボー猫にくっついている。

　すると幼少時代、姉ばかりが可愛がられ自分が無視され続けたトラウマがよみがえります。妹が下した決断は…。

　「そうだ、こいつらもやっちまおう！」

　もう、ね。完全に狂気の沙汰ですね。

まとめ

　以上、楳図かずお先生のおそれでした。

　幼少期から刻み込まれてきた姉に対する劣等感が、ひょんなことから大爆発し、姉を破滅に突き落とします。

　ラストの場面で妹は「計算通り！」と、笑みを浮かべると同時に、全身から哀愁を漂わせています。

　姉のことが大嫌いだったと同時に、大好きだったんだろうなぁ、と思いました（小並感）。

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