【スタンレーの魔女】あらすじと感想:松本零士の戦場まんがシリーズ

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松本零士 スタンレーの魔女 人間ドラマ

 夢に挑戦するも、おもっくそ負けてしまう。そんな彼らが見た光景に興味はありませんか?

 松本零士先生のスタンレーの魔女(戦場まんがシリーズ)がイチオシです

 海軍パイロット・敷井は、あこがれの探検家・ハーロックが失敗した、スタンレー山脈越えに挑む。

 しかし、結果は惨敗。

 失意の彼は、山を振り返る。

 そこには、彼の敗北をあざ笑う、スタンレーの魔女がいた…

面白かったところ
  • 夢に挑み、敗れる人間がカッコいい
  • 魔女が不気味で魅力的
イマイチだったところ
  • ハッピーエンドではない

概要

あらすじ

 ハーロックは複葉機で世界を回っている航空探検家。世界中の空を飛ぶのが彼の夢

 しかし、一か所だけ踏破できなかった場所がある。

 オーエンスタンレー山脈。

 標高四千メートル(作中では五千メートル)の山々が連なる難所。

 ハーロックは山越えを試みるも、山頂を超えられず、かといって抜け道も見つからず。

 無念の気持ちでスタンレーを、あとにする。

 ふと、うしろを振り返ったとき。

 山が、さながら魔女のように、彼をあざ笑っていた…

登場人物

敷井
 今作の主人公。一式陸上攻撃機のパイロット。ハーロックの自伝“スタンレーの魔女”を愛読している。過去に九六陸攻や一式陸攻で、事故を起こしている、いわくつき

ハーロック
 “スタンレーの魔女”の著者で、航空探検家。複葉機時代に世界中の空を駆け巡っていた人。わが青春のアルカディア(戦場まんがシリーズ)に登場するハーロック二世の父親。

敷井は九六陸攻を三機、一式陸攻を四機。さらにゼロ戦を三機、事故で破壊しているよ。

(操縦したら)いかんでしょ…。

物語の内容

あこがれのスタンレー山脈

 舞台は太平洋戦争中の東南アジア

 日本は連合国の要衝・ポートモレスビー攻略のため、連日スタンレーを越えて爆撃を加えていた。

 ハーロックにあこがれ、スタンレー越えを夢見ていたパイロット・敷井のもとにも、出撃命令が下る。

 出撃当日。敷井は愛読書“スタンレーの魔女”を手に、ポートモレスビーに向けて出撃。道中、夢にまで見たスタンレー山脈を超えていく。

 「ああ、今オレはスタンレーの上を飛んでいる!!

 「オレはスタンレーを征服したぞ!!

 隣で見ていた機長がつぶやく。

 「片道だけな…

フラグが立ったね。

スタンレーの魔女

 敷井たちを乗せた一式陸攻は、ポートモレスビーに到着。爆撃任務を完遂する

 が、連合軍機の迎撃を受けてしまう。一式陸攻は二つあるエンジンのうち、一つを撃ち抜かれ、片肺飛行を余儀なくされる。

 そして機長の判断で、機銃やら無線機やらの重量物を航空機から投げ捨てた。やや身軽になった機で、スタンレー越えに挑む敷井。

 「スタンレーを意地でも飛び越えて生きて帰ってみせるぞ!!

 「おれは、ハーロックのように負けやしない!!

 エンジンの出力を上げ、高度を上げていく敷井。

 高度二千五百!! 三千五百!! 四千…四千五百!! 五千!!

 「魔女めっ!!」

 一式陸攻は山頂をかすめつつも、ついに山越えを成功させる。

 「超えた!スタンレーを超えた!!」歓喜する敷井。

 と、隣にいたはずの機長がいない。あわてて畿内を見回すと、だれもいない。風音だけが機内に響いている。

 「…みんな、とびおりて重量を軽くしてくれたのか…」

 「おれひとりが勝っても…なんにもならないじゃないか…」

 ふと、山を振り返ると、魔女が笑っていた

 「ちくしょーっ!!

コウメ大夫かな?

笑い事じゃないよ。

感想:無念さが見せた魔女

 敷井はハーロックにあこがれていたと同時に、ライバル心も持っていたのではないか?作中のセリフが、そんなことを思わせます。

 「おれは、ハーロックのように負けやしない!!

 しかし、スタンレー越え(=ハーロック越え)に挑むも、結果は惨敗。

 むしろハーロックは“無理”と判断して、唯一の友人・アルカディア号とともに生還しているのに対し、敷井は“できらぁ”精神で仲間たちを全滅させてしまっている。

 強烈な敗北感でうしろを振り返ると、山が笑っているように思え、その中に魔女を見る。

 彼の無念がいかほどのものか、うかがい知れますね。

できらぁっ!

すまん、できんかったわ。

………。

まとめ:夢に挑み、破れた人たち

 以上、松本零士先生のスタンレーの魔女でした

 航空探検家・ハーロックにあこがれている敷井は、スタンレー越えを心待ちにしていた。いざ出撃!

 ところが、二つあるエンジンのうち、一つが故障。片肺飛行でスタンレーに挑む。なんとか山越えを成功させ、意気揚々な敷井。

 しかし、機内に仲間たちの姿はなく、敷井一人だけが残されていた。スタンレー越えのために、仲間たちを犠牲にしたことを悟る敷井。

 スタンレーの魔女は、彼らの敗北を見て、冷ややかにあざ笑っていた。

夢に破れた人も、またカッコいい。



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