人間というものが嫉妬でどれだけ変貌してしまうか見たくはありませんか?
楳図かずお先生の姉妹(おろち)では、仲良しの姉妹がお互いへの嫉妬をこじらせてしまい、行くところまで行ってしまう様が描かれています。
おすすめ度 | |
おろちのかわいさ | |
人間の怖さ | |
美人の変貌 |
美人姉妹が互いを嫉妬して破滅する、という話だよ。
「おそれ」の別プロットを流用したんだって。
概要
あらすじ
嵐の夜。
おろちは、雨宿りのため、一軒の屋敷に上がりこむ。
屋敷では美しい姉妹と、みにくい容姿の母親、三人が暮らしていた。
彼ら龍神家の娘は、18才になると発病し、みにくくなってしまうらしい。姉・エミは、あと一か月で18才を迎える。
ある日、エミの外出中に母親が発作を起こしてしまう。そして母親は遺言を妹・ルミに伝えて亡くなる。遺言の内容に強いショックを受けるルミ。
そして、エミの帰宅後に遺言を伝える。
「私は龍神家の娘ではないのです!!」
エミの心に、憎しみと嫉妬が湧き出た。
登場人物
エミ
黒髪セミロングのお姉さん。キレるとボーガンを放ってくるヤバい人。
ルミ
パーマヘアーの妹さん。自分の身を削ってでも、相手をハメてくるヤバい人。
おろち
主人公にして脇役。シリーズを通してみると主人公だが、各話で見ると脇役。脳筋美少女。
おろちって脳筋なのか…。
鍵のかかったドアを殴って開けちゃうよ。
物語の内容
姉、錯乱
その日以来、姉妹の関係は一変する。
姉・エミは錯乱してしまい、妹・ルミに対し、執拗な暴力を繰り返す。
「私だけが私だけがみにくくなるなんて!!」
一方のルミは”おねえさまの気がやわらぐなら”と、おとなしく殴られ続けていた。
そしてエミの18才誕生日前日。
錯乱したエミは、ついに自分の顔を自分で焼いてしまう。
さらに一年後、今度はルミの18才誕生日を迎える。
妹が18才になっても美しいことに嫉妬し、叫び声をあげるエミ。
そんな姉を見て、ルミがどす黒い笑いをあげる。
「ははははははは」
「私はウソをついたの」
妹のついたウソ
母親の遺言はウソ。
龍神家の娘でないのは姉・エミの方だった。18才を迎えたルミには、発病の兆しが現れていた。
エミは妹が発病しないと聞いたとき、嫉妬に狂った。
それと同様、ルミは姉が発病しないと聞いたとき、嫉妬に狂ったのだという。
エミ一人が発病しないなんて許せない。
だからウソをついた。
「そうしてあなたは自分でみにくくなったのよ自分で!!」
エミは、頭を抱えて絶叫した。
ぶるぁぁぁぁぁ!
映画化
2008年に東映の配信で映画化。
ホラー回の巨匠、鶴田法男監督(リング0、予言)。脚本に高橋洋さん(リングシリーズ、呪怨)を迎えた力作。
口コミとしては、
という意見がある一方、
という声もありました。
楳図作品の映像化は”ハズレ”が多いとされますが、本作の評判は上々。楳図先生からも高評価の出来になっています。
感想
仲良し姉妹の変貌仲良しだった姉妹が、嫉妬が原因で変貌してしまう。
もともとは、一緒にみにくくなるという運命共同体だった二人。
それが、母親の遺言で一変。お互いが嫉妬して、お互いが許せない!と行動を起こす。
実の姉妹ではないらしいが、考え方や行動がそっくりな二人。病気さえなければ、気の合う仲良し姉妹として過ごしていたのでしょう。
そんな二人だからこそ、裏切り?が許せなかった、と。
仲良しも不仲も紙一重なお話でした。
まとめ
以上、楳図かずお先生の姉妹(おろち)でした。
もともとは百合と見紛うほどに仲の良かった二人ですが、お互いの嫉妬によりその関係は粉々に砕け散ります。
「嫉妬は破滅への道。百合も例外ではない!」
そんなメッセージが垣間見える作品でした。
嫉妬は怖いねぇ~。
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