雀百まで踊りを忘れずと言いますが、やはり自分が「これだ!」と思ったことはやってみたいところ。
松本零士先生のダイバー0(ゼロ)は主人公・ゼロ(ロボ)が「人間は悪魔だ。奴らを滅ぼし、アンドロイドの世界を作れ!」と父親(ロボ)に吹き込まれて、地球にやってきます。
しかし主人公はきったない人間がいる一方、心優しい人間が存在することも目の当たりにします。
「お前にはもっとやるべき、大事なことがあるはずだ!」と、ハーロックに背中を押されつつも悩み苦しんでいく、少年の姿が描かれています。
おすすめ度 | |
ロボvs人間 | |
かっこいい男 | |
子供の苦労 |
ハーロックが乗っているのはデスシャドウ号。
キャプテンハーロック外伝ともいえる作品だよ。
使命に疑問を覚える主人公
「人間を滅ぼし、アンドロイドの世界を作れ!」と、父親に吹き込まれた主人公。しかし、第一話にして早くも疑問を持ち始めます。
その後も優しい心を持った人間と出会ったり、仲間だと思っていたアンドロイドに裏切られたりと、人間とアンドロイドの二面性を見て苦悩します。
そんな折ハーロックから、人間とアンドロイドが協力して外敵と戦った十番惑星の話を聞きます。
「自由の旗の下、未来のために一緒に戦ってほしい!」
主人公は即答はせず、町の中に消えていきます。…と、なんと本編はここで終了。
松本先生の作品は未完が多いですが、本作もその一つ。せめて、デスシャドウ号に乗るところまで描いてほしかった…。
ゼロの登場は本作のみ。
彼がどうなったのかは分からないんだ。
なんで…どうして。
勝手に自滅する人間
父親から「人間は悪魔。奴らを滅ぼせ!」と吹き込まれた主人公は、父親の望み通り人間たちと対立する。
しかし人間側もアンドロイドに対し、尋常でない敵愾心(てきがいしん)を持って立ち向かってきます。
ついには都会のど真ん中で巨大爆弾を使用。街ごと消滅してしまいます。第二話でもやっぱり町ごと消滅。
明らかに主人公よりも人間の手により多くの人命が失われています。「人間は悪魔。」それにしたってヒデェもんです。
人間は人類を守るためなら、いくら犠牲が出ても構わないと考えているよ。
う~ん…、これは悪魔。
ハーロックがかっこいい
作中の主人公はアンドロイド・ゼロですが、第二の主人公と言えるのがキャプテンハーロック。
第二話から最終話まで出ずっぱりで、復讐心(というか両親の呪い?)にとらわれているゼロを気にかけています。
一言でいえば、男の中の男。とにかくかっこいいです。情熱的でニヒルなハーロック像ができたのが今作ということで、「キャプテンハーロック外伝」と言われても納得するくらいに存在感があります。
ゼロもハーロックを慕っているようで、危険なアンドロイドから身を挺して彼を守ったりしています。ハーロック本編にもあった、いい男と子供のあつぅい友情ですね。
ゼロがハーロックを見る目。あれは…。
恋、だね。
まとめ
以上、松本零士先生のダイバー0(ゼロ)でした。
父親から「人間は悪魔。人間を滅ぼせ!」と吹き込まれるも、主人公自身が見た人間は良いやつもいれば悪いやつもいる。それはアンドロイドも同じだった。
「人間は悪魔じゃない。でも両親は人間を滅ぼせと言っていた。僕はどうしたらいいんだ!?」
流れ的にはハーロックとともにデスシャドウ号に乗り、侵略者(マゾーン?)と戦いそうな具合ですが、その答えは出ないまま終幕してしまいます。
う~ん、続きが見たい…。
キャプテンハーロックにはゼロに似た、台場っていうキャラが登場するよ。
残念ながら人間で、ダイバーゼロとは別人だけどね。
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