美学を持った行動はかっこいい。しかし、ほどこされた側にとっては、クソ迷惑なこともあるわけで。
美術の岡部先生は、顔のない石膏像をせっせと作成中。
”芸術に顔は必要ない”
という美学からで、周りの生徒も、それをもてはやしていた。
しかし、当の石膏像たちは、そんな風に思っておらず…。
伊藤潤二先生の、首のない彫刻をご紹介。
- 古典的ホラー
- 古典的すぎる気もする
概要
あらすじ
留美と島田くんは美術部に所属。
岡部先生が個展に出す、首のない石膏像の作成をお手伝いしている。
留美はそこそこのところで帰宅。島田くんと岡部先生は美術室に残り、そのあとも作業をしていた。
翌日、島田くんはカゼで学校を休み、岡部先生の首無し死体が発見された。

先生いわく、芸術に顔は必要ないらしいよ。

自分がなくなってるじゃん…。
登場人物
留美
美術部の生徒。みんなのヒロイン。
島田くん
美術部の生徒。岡部先生のことが好き。
岡部先生
美術部の先生。ややセクハラ気味。
物語の内容
島田くんが硬い
岡部先生が亡くなった次の日。
島田くんが投稿し、留美に声をかけてくる、というか様子がおかしい。
「留美…君は美しい」
「ぼくは君が美術室に姿を見せるのをいつも心待ちにしていた」
さらに、岡部先生が実は生きていて、美術室に隠れているとか言ってくる。
島田くんは手を差し出し、留美を美術室までエスコートしてくれる。
島田くんの手は、やけに堅かった。

すごく…硬いです。
君の顔は美しい
放課後の薄暗い美術室。
留美は入室するも、岡部先生の姿はない。島田くんは、部屋に入り、ドアの鍵を閉める。彼の口元からは、血が流れていた。
島田くんが、うつろな目をして、留美に語りかける。
「ああ留美。君の顔は美しい。」
と、島田くんの首が、ゴトリ、と床に落ちた。首無しの体が、両手を留美のほうに伸ばし、歩み寄ってくる。
「留美」
「留美」
「留美~」

逝ったわコレ…。
感想
夜になると、人形が動き出すという、どこかで聞いたことのあるお話。
違うのは、人形が動き出す動機を、人間が作り出すところ。
”芸術に顔は必要ない”
と言って、首無し人形を作る先生。
しかし、当の人形たちは、ものすごく顔に飢えている。そのうえ、先生の芸術性を引き継いでいるのか、留美を見るたびに”美しい”とほめちぎってくる。
ちなみに、人形は中盤こそ先生の顔を使っているが、後半になるとあっさり捨ててしまう。
先生の顔は美しくなかったのだろう。
まとめ
以上、伊藤潤二先生の首のない彫刻でした。
芸術に顔は必要ないと言って、首なし石膏像を作成する岡部先生。
しかし、当の石膏像たちは夜になると、顔を求めて動き出す。石膏像たちは、岡部先生と生徒たちに魔手を伸ばした…。
夜になると、人形が動き出すという古典的ホラー。
だが、そこがイイ!
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