【消えた消しゴム(神の左手悪魔の右手)・楳図かずお】子供が残酷すぎる

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ホラー・サスペンス

 学校の怪談的なホラーを読みたくはありませんか?

 楳図かずお先生の消えた消しゴム(神の左手悪魔の右手)では、

 「人間は死ぬと正体を現すらしい。」

 と、いう謎情報を仕入れた子供たちが担任の先生に狙いを定めてヤッちまいます。

 それだけでもヤベェー話ですが、翌日、亡くなったはずの先生が普通に出勤。そして子供が一人、また一人と姿を消していき…。

 錆びたハサミほどのスプラッターなシーンはありませんが、ショッキングなシーンはあるので苦手な人は要注意!

消えた消しゴムの見どころ
  • よーし、先生をヤッちまおうぜ!
  • クッソ残酷な子供たち
  • どこからどこまでが夢なのか?
おすすめ度5.0
子供の残酷さ5.0
テラー5.0
学校の怪談5.0

錆びたハサミや黒い絵本と比べると影が薄いけど面白い作品だよ。

子供の無邪気な残酷さが際立った作品だね。

よーし、先生をヤッちまおうぜ!

 授業中に消しゴム人形を作って遊んでいる弟くん。その現場を先生に見つかってしまうも「消しゴムをそんな風に使ってはダメよ。」で、済ましてくれる優しい先生

 しかし、放課後に友人が

 「人は死ぬと正体を現すらしい。先生を殺して本当に優しいのか確かめようぜ!

 と、とんでもないことを提案してくる。そして即・実行

 先生を体育館?に呼び出して首を吊らせ、さらに2Fから叩き落してミッション・コンプリート!

 しかし先生の姿は変わらない。仕方ないので、先生をゴミ袋に入れて工事現場に埋めておく

 「このことは内緒な!

 と、約束してその日は解散。

 と・こ・ろ・が、翌日、先生が普通に学校へやってくる。「そんなバカな…。」

 そんな中、子供が先生から呼び出しを食らい、そのまま行方不明になってしまう。翌日にも一人、また一人と子供が消えていく。

 そしてついに弟くんの番が回ってきて…

分かった、先生はゾンビだったんだ!

次、お前な!

ああああ!!(ブリブリブリュリュ!!)

クッソ残酷な子供たち…

 本書を読んで真っ先に思うのが子供たちの残酷さが半端ないこと。

 「先生を殺そうぜ!」(1out)

 「よし、死んだ先生をゴミ袋に詰めて埋めようぜ!」(2out)

 「今、先生がウ~ンって言わなかった?」

 「言うもんか!埋めてしまおう!」(3out)と、いった感じ。

 さらに先生が生き返らないよう口に物を詰め込んでおき、埋めた跡には石を山積みにしておく。そのうえ「このことは誰にも言っちゃダメだぞ。」と、緘口令(かんこうれい)を敷く

 いやぁね~、子供の無邪気さと残酷さは紙一重なのかもですが、コレは…

 ヤッた後に一切の救命活動を行わず、迷うことなく隠ぺいに走るのも点数が高い。

 子供って怖いね。フィクションだけど。

あれれ~、姿が変わらないぞ~?

よし、埋めるか!

どこからどこまでが夢なのか?

 本作・神の左手悪魔の右手のキーワードは、夢か現実か、というもの。キーマンは弟くんで、彼の見た夢(あるいは妄想)が現実化する。

 ただ、明確に「これは夢だ」と明示されている箇所と、明示されておらず、どこからどこまでが夢なのか読者さんが考えてね!的な箇所に分かれています。

 たとえば、体育館で先生が首を吊るというショッキングなシーン。このシーンの直前に弟くんの真顔が突如2コマも描かれています。

 これは「はい、ここから夢モード入りまーす。」という暗示にも見えますし、単に首を吊る先生を見て呆然としているようにも見えます。

 また最終盤では

 「大変なことがあったけど、ボクがみんなを助けたんだ。」という弟くんに対し

 「また弟くんの想像話が始まった。」

 「仕方がない、いつものことよ。」

 と、なんかもう、今までの話が全て夢の中の話だったんじゃないかというようなセリフが出てくる。

 一方で「新しい担任の先生がやってくる」とか言ってる。

 一体どっちなんでしょう?

疑惑はますます深まった…。

起きろ!これは夢だっ!

!?

まとめ

 以上、楳図かずお先生の消えた消しゴム(神の左手悪魔の右手)でした。

 「人は死んだら正体を現す」と、いう噂を検証すべく先生を生贄(いけにえ)にするも、死んだはずの先生がしれっと翌日も出勤し、呼び出しを受けた子供が行方不明になっていく…。

 学校の怪談的な話をベースにしつつも、子供の残酷さや、夢か現実かというテーマも盛り込んだ良作です。

 スプラッター・シーンは控えめですが、ショッキングなシーンはそれなりなので、ご注意を。

消えた消しゴムの見どころ
  • よーし、先生をヤッちまおうぜ!
  • クッソ残酷な子供たち
  • どこからどこまでが夢なのか?

生贄(いけにえ)にされた先生にとってはシャレにならない話だね。



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