当たるも八卦(はっけ)、当たらぬも八卦が占い。
しかし、カリスマに言われた占い結果に、そんな悠長なことを言える自信はありますか?
伊藤潤二先生の、死びとの恋わずらいでは、辻占なるものが流行っています。
辻占は、道の曲がり角で待ち伏せし、最初に通りかかった人に自分の悩みを聞いてもらうというもの。
ある女性が、通りかかった背の高い美少年に、恋占いをお願いします。
その返事は、
「実らない…」
「絶対に実らない…」
概要
あらすじ
龍介は10年ぶりに難澄(なすみ)市へ戻った。
転入した中学校では、同じ幼稚園に通っていた、みどりと再会。順風な学生生活…ではなかった。
ある日、辻占をした女生徒が、首を切り裂いて自殺。
直前に、黒服の美少年と出会い、自分の恋について占ってもらっていた。
しかし、その返事は
「その恋は…」
「絶対に実らない…」
そして女生徒は自殺。
実は10年前にも同じ事件が起きていた。
美少年、すげぇ…。
登場人物
龍介
難澄市に越してきた中学生。10年前、辻占に参加した際、”凶”の占い結果を出して女性を自殺に追い込んでいる。
みどり
龍介の幼馴染。龍介が10年前に死なせた女性は、彼女の叔母にあたる。
四つ辻の美少年
辻占で”凶”の占い結果を出しまくる美少年。彼が”死ね”といえば死ぬ。尋常でないカリスマの持ち主。
物語の内容
死びとの恋わずらい
10年前の事件。
そのときに”その恋は実らない”と答え、相手を自殺に追い込んだのが、子供時代の龍介だった。
”10年前とそっくりじゃないか!?”
さらに、クラスメートまでが黒服の美少年と出会い、自殺。
責任を感じた龍介は、黒服の美少年をとらえることを決意。また、かつての罪滅ぼしとして、積極的に辻占に参加。相手が前向きになれるような、ポジティブな回答を心掛ける。
そして、ある霧の濃い夕方。いつも通り、辻占でポジ回答して回る龍介。
その前に、首がざっくりと割れた、血まみれの少女が立っていた。
「あの~私の恋は実るでしょうか~」
ドン引きな龍介。
「み…実る…実るとも…」
自殺した少女に違いない。それでも龍介は、辻占を続けていった。
死んどるやないか~い!
美少年との遭遇
黒服の美少年には会えなかった。
一方、黒服の美少年は、カリスマを発揮して熱狂的なファンを形成していた。
龍介は毎日辻占をしていたせいで、彼が黒服の美少年ではないかと間違われてしまい、深刻なストーカー被害にあってしまう。そのため、龍介は家出し、ある廃屋に身を潜めた。
この廃屋を知っているのは、幼馴染のみどりだけ。彼女は龍介のために、食事などの面倒を見てくれた。
ところがある日、みどりが絶叫しながら告白してくる。
「私は龍介くんが好き」
「死ぬほど好きなの!!」
尋常でないみどりを見た龍介は、腹をくくり、10年前に自分が辻占で女性を自殺させてしまったことを伝える。それでもいいのなら、自分の恋人になってほしいと告白。
みどりは即答せずに、一度帰路につく。
その途中、みどりは黒服の美少年と出くわす。
「許すな」
「一生憎め」
10年前の女性は、みどりの叔母さんだよ。
決戦
みどりは、龍介を一生許さないことに決めた。
その日から、龍介への虐待を開始。棒で殴りつけたり、クソまず料理を無理やり食べさせたりする。
同時に、みどりの体は、日に日にやせ衰えていった。
龍介は彼女の痛々しい姿を見て、警察に自首することを決心。そして、自分に対する憎しみを捨ててほしいと懇願する。
それを聞いたみどりは、虐待をやめ、ふらっと外にでる。そして、持っていたナイフで自分の首をかっ切った。
「これで…一生憎んだ事になるわよね…」
龍介は震えながら、彼女のナイフを握る。
その夜。
四つ辻の美少年を、熱狂的なファンがかこっていた。
「死ぬほどすき~っ」
「この恋は実るでしょうか~!」
四つ辻の美少年が冷笑を浮かべて答える。
「実らない…」
「絶対に実らない」
そこに、形見のナイフを握りしめた、龍介が姿を見せる…。
やっちまえ!
アニメ化
2018年にアニメ化されました。製作は、スタジオディーン。声優さんは、
- 龍介→吉野裕行さん
- みどり→斉藤佑圭さん
- 美少年→緑川光さん
という意見が目につきました。
特に、原作ファンからの評価が厳しいようです。
感想
超カリスマの占い。
序盤の辻占は”頑張れば大丈夫だよ”→”頑張ったら大丈夫だった”という、ただの素人占い。
それが、四つ辻の美少年の登場で一変する。
”その恋は実らない”と言われれば、絶望して自殺。”一生憎め”と言われれば、大好きだった彼も憎む。しまいには”死ね”と言われて、本当に死んでしまう。
何でこんなことを…、とも思うが、四つ辻の美少年は、本当にかっこいいからしゃーない。
緑川さんのボイスとか、耳が妊娠しましたよ。
かっこええわ…
まとめ
以上、伊藤潤二先生の死びとの恋わずらいでした。
難澄市で流行する辻占。四つ辻の美少年が”凶”の占い結果を伝えたところ、女子生徒が自殺。
龍介は、10年前に自分がしでかしたことの再来に恐怖する。その後も、四つ辻の美少年は多数の犠牲者を出していく。
責任を感じた龍介は、四つ辻の美少年の凶行阻止と、人に少しでも希望を与えられるよう、辻占に積極参加する。
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