過去は何のためにあるのか?
つばな先生の第七女子会彷徨・最終巻。
仲良しこよしだった金やんと高木さんは、進路をめぐって大ゲンカ。卒業後は絶縁状態になってしまう。
仲良しだった高校三年間。絶縁状態だった10年間。
これらには、どんな意味があったのか?
二人の彷徨のゴールが描かれた一冊。
概要
あらすじ
金やんと高木さんは、仲良しの高校三年生。
二人は学校が仮決定した進路先通知を眺める。進路先は本人の特性に応じて、就職・進学・結婚が提示される。
結婚の場合には、相手候補を知らせる、赤紙が届くこともある。
二人は同じ大学に入るため、勉強会を開く。
しかし金やんが、ときどき上の空になる。関係がギクシャクする二人。
高木さんが思い切って聞く、
「赤紙来たんでしょ?」
金やんは、あとで話そうと思っていた、自分には高木さんが一番大切だという。
「だから!だまっててごめん!!」
「…うん」
そうして二人は教室へ向かう。
しかし、高木さんの足取りは重く、目からは涙がこぼれでた。
登場人物
金やん
主人公の片割れ。学校から、就職・進学・結婚のすべてを提示される優等生。
高木さん
主人公のもう片割れ。学校からは就職のみを提示される。が、金やんと一緒に進学するため、勉強に精を出す。
坪井さん
二人のクラスメート。二人のために、一肌も二肌も脱ぐ。
物語の内容
10年後の同窓会
坪井さんは高校三年のとき、諸事情から学校へ通えなくなってしまった。
あれから10年。同窓会的なものが開かれる。ウキウキな坪井さん。
そして、金やんと10年ぶりの再会を果たす。
しかし、そこで金やんと高木さんが、高校三年のときに喧嘩別れしていることを聞かされる。現在でも絶縁状態だという。
ショックを受ける坪井さん。
金やんが、物哀しそうにつぶやく、
「でも…もしかして今日は会えるかな?って…ちょっとだけ望みはあったんだけどね」
その光景に希望を見出す坪井さん。
「私にまかせて!良い事考えちゃった!!」
「私が2人を救ってあげる!!」
そうして坪井さんは、タイムマシン的なものに乗り込んだ。
時をかける坪井さん
ギクシャクが積み重なっていく金やんと高木さん。
そしてついに、高木さんの不満と不安が爆発する。互いにののしりあい、はたきあって、ケンカ終了。
高木さんは嗚咽(おえつ)しながら廊下を歩いていき、金やんは鼻をすすりながら床にこぼれた弁当を片付ける。
その後、二人は10年間、絶縁状態になってしまう。
のだが、ここで坪井さんが、高木さんの元へやって来る。
そして、10年後に同窓会的なものが開かれることを伝える。
「そこで高木さんを待ってる人がいるからね?」
「10年後そこに絶対来てほしいんだ!!」
「それを忘れないで…」
10年後。
高木さんはこの出来事を思い出す。
感想
70%くらいのハッピーエンド。
最終巻だけあって今までの謎回収や、なつかしのキャラ登場など、総仕上げ的な一冊。
一応、ハッピーエンドだけれど、ハッピー度は60%~70%くらいか?
二人の大ゲンカや、絶縁状態だった10年間を思うと、100%ハッピーとは思えない。
最終章を通して話が暗く、高木さんが可愛そうなくらいにへこんでしまうのが不憫(ふびん)。
あと、おどろいたのが坪井さん。
初期からいるサブキャラ。と思いきや、最終章にからみまくってくる重要キャラだった。まさか、あのキャラとのつながりが…。
総じて、満足度の高い最終巻でした。
まとめ
以上、つばな先生の第七女子会彷徨・最終巻でした。
仲良しだった二人だが、進路をめぐって大ゲンカ。絶縁状態になる。
10年後、それを知った坪井さんは、”なんとかしてやる!”と、タイムマシン的なもので過去の世界へ行く…。
坪井さんがね、終盤の主人公してましたね。
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