自分と、もう一人の自分に分裂する事件が発生。果たして、もう一人の自分にも心はあるのでしょうか?
つばな先生の見かけの二重星では、主人公の女子高生が二人に分裂する事件が発生。二人は割と楽しく日々を過ごし、家族もこれを受け入れてくれました。
しかし、もう一人の自分は、ただ自分に似ているだけの別人だということが判明して…。
概要
あらすじ
ある日、綾子は怪しい科学者・天才の作った瞬間移動マシンの実験に付き合う。
が、実験は失敗。マシンに入っていた綾子は、何故か二人に分裂してしまった。
綾子ともう一人の綾子は、記憶や悩みも同じ。亡くなったお姉ちゃんの思いで話をして、もう一人の綾子が泣き出したこともあった。割と楽しく日々を過ごす二人。
しかし、天才が本物の綾子に言う。
- もう一人の綾子は、体がこの世にはないハズの物質で構成されている
- 綾子に似ているだけの別人
- 人間ではない
「なにソレ…」
登場人物
綾子
黒髪ロングの女子高生。バイト代のため、天才の実験に付き合うが分裂してしまう。
もう一人の綾子
分裂した方の綾子。見た目も性格も同じだが、実は利き手が違う、
天才
綾子を分裂させた科学者。のちに、本人も分裂する。
お姉ちゃん
綾子の姉で故人。自分の死期が、分かっているようなそぶりを見せていた。
天才っていうのは苗字らしいよ。
物語の内容
不思議なネコ
飼い猫にエサをあげる天才。
そこに、星型の首飾りを付けた、飼い猫そっくりなネコが現れる。星型の猫は、ひとなきすると、霧のように消えてしまった。
と、綾子が相談したいとやってくる。もう一人の綾子に、なんて言ったらいいのか分からないという。
天才のアドバイスは、
- もう一人の綾子が実在しているのは確か
- 自分が何者か?なんて自分では証明できない
- だから、もう一人の綾子を、一人の人間として受け入れることが大事。
と、ちょうどもう一人の綾子がやってくる。
天才へのお土産に、星型の飾りを持ってきてくれた。
時空の歪みを感じる。
泡になって消える
思いつめた顔した綾子が、もう一人の綾子をギュッと抱きしめる。
「綾子!!愛してるぞ!」
「あんたは私じゃない!」
「きみはきみだよ!」
涙ぐむ綾子を、もう一人の綾子が抱きしめ返してくれる。
ふ、とお姉ちゃんのことを思い出した。
「お姉ちゃんか…」
「また 会いたいね」
もう一人の綾子は、泡になって消えた。
あわわわ…。
お姉ちゃん!
自宅に帰った、本物の綾子。目を閉じて思い出す。
分裂した最初の日。
もう一人の綾子がお姉ちゃんを思いだして泣き出したとき、自分は彼女を抱きしめてあげた。
そしてさっき、自分が泣き出すと、もう一人の綾子が抱きしめてくれた。
彼女は絶対に、一人の人間だった。確かに心があった。
「本物か偽物か なんて意味をなさない」
そのころの、もう一人の綾子。
彼女の目の前には、亡くなったはずのお姉ちゃんが立っていた…。
感想
作中で、もう一人の綾子がニセモノだと判明する。
しかし、本物との違いなんてなく、お互いが心配しあってなぐさめあっている。
後半では、もう一人の綾子がお姉ちゃんを救おうと奮闘。こんなに熱いハートがニセモノのはずないじゃない。本物の綾子が来ても、きっと同じように奮闘したはず。
まさに、本物か偽物かなんて意味はないと思ったのです。
まとめ
以上、つばな先生の見かけの二重星でした。
天才の実験に付き合ったせいで、二人に分裂した綾子。
もう一人の綾子とは仲良く同居していたものの、彼女は本物に似ているだけのニセモノだと判明する。
思い悩む綾子だったが、もう一人の綾子を自分とは違う別人として、一人の人間として受け入れる。
そして、もう一人の綾子は泡となって消えていく…。
が、そっちはそっちで、お姉ちゃんを救うために大奮闘する。
心が増えたっていいじゃない!
ネコも分裂するよ。
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