日常でのひょんな出会いが、人生をフェードアウトさせかねないきっかけになる。そんなお話に興味はありませんか?(ややホラー風味)
つばな先生の?の見え方(第七女子会彷徨6巻)をおすすめします。
主人公・高木さんは学校の帰りに、その人が見たい姿にうつるという不思議少女・ひとみちゃんに出会います。
ひとみちゃんは高木さんと一番の仲良しになりたいと言って、なんかいろいろと頑張ります。
そしてある日、「私の居場所はここじゃないみたい。だから高木さん、一緒にどこかへ行こうよ!」と言ってくる。
しかし、高木さんの意思は固く…。
最後はちょっぴり切ないお話です。
これぞ、運命の出会い!
下校中の高木さん。と、目の前で女の子が車にはねられるというシーンに遭遇。急いで駆け寄り、心配する高木さん。幸い女の子は無事そう。
すると女の子は心配されたことがよほどうれしかったのか大はしゃぎ。「私ひとみちゃんっていうの。」と自己紹介。そしてそのまま高木さんの家までついてくる。
明らかに面倒くさそうな子だが、「私、高木さんと友達になりたい。でも嫌われたくないからもう帰るね。」うん、間違いなく面倒くさい。
そして翌日、なんと学校にまでついてくる。いわく、「私は人によって見え方が違うんだよ。その人が一番見たい姿に見えるの。大体の人は犬か猫に見えるから大丈夫。」とのこと。犬や猫でも学校はダメだろう…。
さらに「高木さんと一番仲良しの金やんとの関係性を知りたいそれを知って高木さんにふさわしい友達になりたいんだ。」と続ける。
それからというもの、少し離れた場所から高木さんと金やんのキャッキャウフフな毎日を眺めるひとみちゃん。
毎日毎日眺めること、実に二ヵ月!
ひとみちゃんは高木さんに声をかける
「私の居場所はここじゃないみたい。だから高木さん、私と一緒にどこかに行こう!」
その人が見たい姿にうつる、か。なんで高木さんには元気な女の子に見えたんだろう?
ちなみに、金やんにはハエの姿に見えていたよ。
一緒に行こうよ!
告白を続けるひとみちゃん。
「私は高木さんのことが好きだよ。私だったら高木さんの本当の一番になってあげられる。だから、私と一緒にそこへ行こうよ!」
ドン引きする高木さん。「一緒に行くなんて無理。仲良くなんてできないよ。」と、足元にはひび割れができている。
「それじゃあ高木さんと金やんが仲良しだっていう根拠を教えてよ!」
高木さんの答えは…。
「わからない…!」
その時、足元に大穴が空き、高木さんのみが落っこちてしまう。
陽が落ちて真っ暗な穴の底で涙ぐむ高木さん。
「一緒に来てくれるなら助けてあげるよ。」と、ひとみちゃんが穴の上から手を差し出すも、その手をはたいてしまう高木さん。
「それじゃあ、金やんもそこへ連れて行こう。そうしたら一緒に来てくれるよね。」と、妥協するひとみちゃん。しかし
「ダメだよ。家族だっているし!」と、速攻で拒否られてしまう。
「それじゃあ、高木さんの大切なもの、全部持って行っていいよ。そうしたら一緒に来てくれるよね。」太っ腹なひとみちゃん。
しかし、それでも高木さんの答えは、完・全・拒・否!
拒絶されたひとみちゃんは、涙を流しながら高木さんを穴底からすくい上げ、そのまま泡になって消滅してしまう…。
一人はさみしいから、一緒に行こう。っていうのがひとみちゃん。
みんなと一緒にいたいから、そこへは行けない。っていうのが高木さん。
実は二人とも似たようなことを言ってるよね。
感想:ひとみちゃんの正体は…?
今話のキーマン・ひとみちゃんですが、その正体は最後まで謎のまま終幕します。
「その人が見たい姿にうつる」らしく、高木さんには、はじめは元気な女の子に、終盤にはやたらギザギザした真っ黒な怪物に見えていました。
実は今話が収録されている第七女子会彷徨6巻は、全話がほんのりとつながっています。その中で今話とつながっていそうなのが十字路の悪魔です。
借金を背負った男性が迷いに迷って人生の十字路に立った時、自分の大切なもの(家族)を巻き込んで、地獄へつながる道を進んでいってしまう話です。
ひとみちゃんの「大切なもの(金やんや家族)すべてを持って行っていいよ。だから一緒に行こう。」というセリフと重なるものがあります。
だとすると、やはり正体は悪魔なのでしょうか?
しかし、ひとみちゃん目線で見ると、なかなか切ない話です。
「ここじゃないどこかへ行かなくちゃならない。大好きな高木さんと一緒に行きたい!」という気持ちと申し出を完全拒否されてしまう。
ひとみちゃんにとって、どれだけショックだったのでしょう?
もし悪魔だったとしたら、一緒に行かなくてよかったよ。
ひとみちゃんのことを思うと、少し切ないけどね。
まとめ
以上、つばな先生の?の見え方(第七女子会彷徨6巻)でした。
いつも通りの下校中、ひょんなことから出会った不思議少女から「仲良しになりたい!」と、申し出を受けてお付き合い。
そしてある日に、「ここじゃないどこかへ一緒に行こう。大切なものは全部持って行ってもいいから。」とのお誘い。
もしかしたら、その道はとんでもない場所へつながっているかもしれなくて…。
登場人物みんなが明るくて元気なのに、所々で挟まれる不気味さ。終盤に変貌してしまうひとみちゃんの怖さ。そして最後にちょっぴり涙。
そんなお話でした。あぁ~、ひとみちゃんの正体が気になるぅ~。
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