夢や希望を抱きつつも現実の辛さに打ちひしがれ、心折れそうになる。そんなことはありませんか?
松本零士先生のワダチが一助になるかもしれません。
主人公・ワダチは夢と希望をもってボロアパートへやってきます。しかし現実は厳しく、涙で枕を濡らす日もあった。それでも上を向いて歩み続けていきます。
また、主人公と似た境遇ながらも闇落ちしてしまう佐渡教授との対比も興味深いです。
おすすめ度 | |
夢・希望 | |
雌伏(しふく) | |
復讐 |
終盤にはハーロックも登場するよ。
残念ながらヘタレだ。
ヘタレ・ハーロックっていうのも気になるなぁ…。
四畳半から始まるSFドラマ
ワダチはボロアパートに暮らす大学浪人生。
ガニマタ・チビ・メガネという三重苦を背負っている。周囲(主に美男美女)から、やたらと見下されているものの、上を向いて赤貧生活を送っていた。
ある日、バイト先でワープ航法の専門家・佐渡教授と知り合い、新しいアルバイトを紹介してもらう。その仕事内容は宇宙移住計画に関する大規模なものだった。
なんとかこうにか移住先惑星に到着するも、そこでも主人公は周囲に見下され、裏切られていく。
それでも主人公は「おいどんは力の限りやるばい!」と言って、歩みを止めることはなかった。
ガニマタ・チビ・メガネか…。
ごめんなさい。
涙がで、出ますよ。
苦労人・佐渡の復讐
佐渡教授はワープ航法の第一人者で、彼もガニマタ・チビ・メガネの三重苦を背負っている。
若いころは周囲から小バカに扱われ、国内外の学会からは変人・狂人とののしられる雌伏(しふく)の時を過ごしていた。
それがワープ航法を実用化させて世界的権威に上り詰め、宇宙移住計画委員長に就任したところで、彼の復讐計画が開始される。
序盤ではおでん好きな面白おじさんだったが、移住ロケットが発射されると態度が一変。ため込んでいた本音をぶちまける。
自分をサルと笑ったもの、チビ・メガネとバカにしたものたちへの怨嗟(えんさ)。
そんな彼らを地球ごと消滅させるという復讐計画をぶちまける。
ガニマタ・チビ・メガネか…。
ごめんなさい(二度目)。
きえろ、ぶっとばされんうちにな。
力の限り歩み続ける主人公
主人公は学生時代に四畳半のボロアパートに引っ越してくる。その頃の彼は胸に夢と希望を持っていた。
しかし段々と厳しい現実に打ちのめされ一人涙するようになってしまう。
それでも「明日は来る、希望はある」と言って前向きに歩み続けてきた。
その姿勢は新惑星に移住してからも変わらず、他人に裏切られようが、頼りにしていた人が亡くなろうが歩みを止めることはなかった。
なにかと共通点のある佐渡教授との違いはその姿勢にあると思う。
佐渡教授は「夢は叶った。もう満足しなければならない。」と言って歩みを止めてしまった。
二人の最も大きな違いは歩みを止めてしまったか、歩み続けていったかではないでせうか?
ワダチのモットーは「最後に笑っていること」。
作中、辛いことがあっても笑顔を決して忘れないよ。
対して佐渡教授は辛いことがあると、それを駆動力にして歯を食いしばって生きてきたよ。
似た境遇の二人だけれど、アプローチの仕方は違っているね。
まとめ
以上、松本零士先生のワダチを紹介しました。
ガニマタ・チビ・メガネと周囲から小バカにされてきた男二人の物語。
一人は壮大な復讐計画を立ち上げるも燃え尽きてしまい、もう一人は闇落ちすることなく開拓精神を引っさげて歩みを続けていく。
ボロアパートにも大宇宙にも、夢と希望はあるんだなぁ、と、そんな物語でした。
どこにいても、一生懸命やるだけさ。
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