ゲーム実況者にドローン操縦者、21世紀になって新しい仕事が増えました。未来の世界には、もっといろいろな仕事が増えていることでしょう。
藤子・F・不二雄先生のイヤなイヤなイヤな奴は、未来のある仕事がテーマ。
未来の世界では、何光年も先の星々と行き来するようになる。長期間拘束される船員たちのストレスが、社会問題になる。
それに対処するため、未来世界の新ビジネスが生み出された。
概要
あらすじ
未来の世界。物資輸送は、惑星間を行き来するようになる。
宇宙船員たちは、閉ざされた空間で、長いあいだ生活しなければならない。そのため仲間割れや暴動、反乱といったことが頻発。
輸送船・レビアタン号も例外ではなく、賭け事が原因で乱闘寸前になる。
整備士のミズモリが、船長に賭け事のことをチクり、いったんは収まる。
しかし、船員たちの不満は収まらない。各々が個室に戻ると、同僚たちへの不平不満を口にしはじめる。
それらのグチを盗み聞きするミズモリ。
「これからがおれのほんとの仕事だ。」
登場人物
ミズモリ
レビアタン号の整備士。いつも、にやけた顔をしていて、性格も軽い。しかし、仕事はプロフェッショナルにこなす。
ヒノ
機関主任をつとめる。ジャイアンとスネ夫を合体させたような人物。暴力的で嫌味っぽい。
キヤマ
船の航宙士。スネ夫をパワーアップさせたような人物。あらゆることに嫌味を言い、武力行使も辞さない。
船長
レビアタン号の船長。権力を持ったジャイアン。ミズモリが逃亡した際には、射殺を許可した。理由は、自分のゲームを勝手にクリアしたから。
物語の内容
暴動寸前
レビアタン号は、最終ワープに入る。あと数日で地球に帰還できる。
しかし、船内のギクシャクは一層深刻になる。
ヒノは船員が飼っている犬にブチギレ、キヤマは同僚のクセがしゃくに触ってブチギレる。そのたびに、ミズモリが場に水を差し、収めていく。
しかし、収まらない。
ヒノは、キヤマの名前を呼びながらサンドバックを殴りつける。一方のキヤマは、ヒノの目つきから殺意を感じるとかいって、ピストルで武装している。
それを盗み聞いたミズモリは、神妙な顔をして言った。
「今までのやり方じゃ手ぬるいか…。」
ミズモリの正体
地球到着まで、あと5日。船内は大騒ぎになる。
ミズモリが、船員の賭博を本社に密告。船長が、唯一の楽しみにしていたゲームを勝手にクリア。船員が飼っていた犬も食べてしまったという。
ブチギレた船員たちは、ミズモリをリンチにかける。ミズモリは逃亡し、機関室に立てこもってしまう。
船員たちは、ミズモリ憎しで一致団結して対処にあたる。
そうこうしているうち、地球に到着。ミズモリの身柄は警察に預けられた。
数日後、二ホン宙運トーキョー本社の一室。
「いいかせぎだねぇ…。」
えらい人が、向こうの相手に札束を渡す。
「…でもありませんよ!」
「からだを張っての命がけの仕事ですからね。」
相手はスーツを着た、ミズモリだった。
感想
ユーモラスなラストが良かった。
限られた空間で人がやさぐれ、反乱や暴動が起こる。企業にとっては冗談じゃないわけで、ジムやサロンの設置・ペットの持込み可と、いろいろと手をつくすがダメ。
そして、行き着く先が人力。
本編のギスギス感も、すべてはこのオチに持っていくため。
それにしても、ミズモリは体を張ってる。今作一のプロフェッショナルですね。
まとめ
以上、藤子・F・不二雄先生のイヤなイヤなイヤな奴でした。
長距離宇宙船では、船員たちのストレスが社会問題化。
輸送船・レビアタン号でもジムの設置や、ペットの持ち込みなどでストレス緩和をはかるも効果はイマイチ。
事態が暴動寸前まで進んだところで、船員共通の敵が現れて…。
人の力というのは、良くも悪くもすばらしいです。
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