【耐えがたい迷路】あらすじ:その人にとって耐えられないもの【伊藤潤二】

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耐えがたい迷路 伊藤潤二 ホラー・サスペンス

 友人の何気ない一言により、視線恐怖を発症した小夜子。彼女にとって、他人の視線は耐えがたく、不登校になることで身を守った。

 ある日、友人の法子と気晴らしに山へハイキングに行く。その途中、心身ともに健康になれるという寺院に立ち寄る二人。

 しかし寺院の地下には、逃げ場のない、耐えがたい迷路が広がっていた…。

 伊藤潤二先生の耐えがたい迷路をご紹介。

面白かったところ
  • 小夜子がミステリアスかわいい
  • 視線恐怖の人にとっては”耐えがたい迷路”
イマイチだったところ
  • オチが、落ち切れていない気もする

概要

あらすじ

 小夜子は、視線恐怖症を患い、不登校になってしまう。

 友人の法子がそれを心配し、彼女を山へハイキングに誘ってくれる。が、二人は山中で道に迷ってしまう。

 そこへ、山中の寺院に所属する僧侶が現れ、今晩は寺で宿泊することに。

 寺院ではたくさんの人が、修行したり、座禅を組んだりしていた。

 「ここで摂心すればまちがいなく健康になります」

 興味を持った小夜子は、しばらく寺院に滞在することにする。

登場人物

小夜子
 不登校の少女。友人の一言がきっかけで、視線恐怖症を患う。

法子
 小夜子の友人。小夜子を元気づけようと、ハイキングに誘う。

物語の内容

恐怖症のきっかけ

翌日、小夜子と法子は午前3時に起床。さっそく座禅を組むことになる。

 小夜子は恐怖症のきっかけになった出来事を思い出す。

 「性格悪そう」

 友人の何気ない一言。

 私って性格悪いのだろうか それが顔に表れているのだろうか… 

 座禅のあと、僧侶から入信の勧誘を受ける。

 「あなたは心の葛藤に苦しんでいるようにお見うけする」

 「教団に入信なさい」

 小夜子は迷っていた。

入信するんだよぉー!

いやぁ、ちょっとぉ…

信者の入定

 小夜子は部屋に戻る途中、小坊主たちの雑談を耳にする。

 「おごそかな気分だ」

 「百人もの方々が一度に入定するんだから」

 部屋に戻り、そのことを法子に話すと、即身仏(ミイラ仏)のことではないかといわれる。

 その夜。

 大勢のやせ細った信者たちが、たいまつ片手に寺を出発していく。

 小夜子と法子は、彼らのあとを追いかけた。

やはりカルトだったか。

耐えがたい迷路

 真っ暗な森を、懐中電灯片手に進んでいく小夜子たち。

 信者たちは地下通路につながる階段を下りていき、彼女たちもそれに続く。

 通路は狭い石造りの道で、彼女たちは奥へ奥へと進んでいく。

 と、通路の両側に何かがズラーッと、並んでいた。

 ミイラ

 大量のミイラ仏だった。

 ミイラの視線を感じ、冷や汗を流す小夜子。引き返そうとするも、完全に迷ってしまう。

 小夜子は、ついにその場で倒れこんでしまった。なおミイラの視線を感じ、小夜子は顔を上げる。

 並び立つミイラたちが、彼女のことを、じっと見ていた…。

こっちを見るなぁー!!

感想

 恐怖症にとっての耐えがたいもの。

 小夜子は、視線恐怖が原因で不登校になっている。読み始めは”なんか多いらしいし、しゃーない”くらいに思っていた。

 しかし読み進めていくと、小夜子は人がいると目をそらしたり、冷や汗を流したりと尋常でない様子。

 そして、終盤の地下通路。法子は、長い迷路を歩いて大変そうな様子。

 一方の小夜子は、なんかもう、メンタル的にやばい様子。

 視線恐怖の彼女にとっては、迷路も学校も、耐えがたいものだったのかもしれない。

まとめ

 以上、伊藤潤二先生の耐えがたい迷路でした

 山へハイキングに行く小夜子と法子。途中、立ち寄った寺院で座禅体験などをする。

 しかし、この寺院、様子がおかしい。

 二人が立ち入った地下通路には耐えがたい迷路が広がっていた…。



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