惨劇に興味はありませんか?もっとも、悲惨な目に遭うのは悪魔の方ですが。
藤子・F・不二雄先生のメフィスト惨歌は、人生のどん底にいる男のもとに、悪魔が現れるお話。
悪魔は、魂をくれれば、何でも願いをかなえると言います。
そして、男は思い悩みます。
”魂を渡さずに、願いをかなえさせるにはどうしたらよいか”、と。
概要
あらすじ
夜の公園。桜の花びらが舞うなか、高木はベンチで座り込んでいた。
友人に裏切られ、仕事を失い、恋人にも見捨てられた。
絶望。
と、悪魔・メフィストが声をかけてくる。
魂を差し出せば願いをかなえる。いぶかしむ高木だったが、どうも本物らしい。
「契約するよ」
登場人物
高木
人生のどん底にいる男。自分の願いをかなえるために、メフィストを利用しようと考える。
メフィスト
営業マンっぽい悪魔。何十年も契約を取れていない。そのうえ、高木に貧乏くじを引かされる。
メフィスト、ポンコツやん!
物語の内容
やたら細かい契約書
大よろこびのメフィスト。何十年ぶりの契約らしい。
ただし、高木は条件を2つ付けた。
1.魂を渡すタイミングは、自分の細胞の最後の1個の死亡が確認された時点にすること。
2.おまけとして、元・恋人をつけること。
メフィストはおまけをつけることにしぶるものの、自腹を切ることで了承。
そして、契約成立!
高木は大金を手に入れ、マンションを購入&入居。
間もなく、元・恋人が訪れ、二人は幸せな時間を過ごした。
めでたしめでたし。
もうちょっと、つづくんじゃよ。
や・ら・れ・た…
一方のメフィスト。上司に魂を手に入れたことを報告。
しかし、雲行きが怪しい。
高木は元・恋人の価値を”一万円くらい”と言っていたが、大ハズレ。上司によると、6000万円の価値だという。
メフィストは、とんでもない額の自腹を切ることになる。
さらに、高木の魂についても問題発覚。
彼はアイバンクに登録していることから、全細胞の死を確認するのは不可能だという。
「事実上魂は永久に手に入らない…」
メフィストの脳天に稲妻が走った。
サギじゃん!!
うちは、クーリングオフとかないんで。
感想:人間が悪魔だった!
悪魔・メフィストは、なかなか人間臭い。
一方の高木。メフィストが営業をかけてくるや、競争相手はいるのか?予算はどのくらいなのか?と、がっつり見極めてくる。
そのうえで、自分の魂と交換…しない!どうすれば魂と交換せずに手に入れられるかと、脳汁を振り絞る。
そして出来上がったのが、悪魔の契約書。
まさに、メフィストの惨劇哀歌といった物語でした。
まとめ
以上、藤子・F・不二雄先生のメフィスト惨歌でした。
人生のどん底にいる高木のもとに、悪魔・メフィストがやってくる。
魂をくれれば、願いをかなえてくれるという。高木は契約を結ぶものの、やたら細かい契約書を要求して…。
人間の方が悪魔っぽい、というのをコミカルに描いた作品でした。
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