髪の毛の復讐話。
チエミは、彼氏の好みに合わせるため、髪の毛を伸ばす。ところが、きれいなロングヘアーになったころ、その彼氏にふられてしまう。
チエミは髪の毛を切ることで、傷心を吹っ切ろうとする。しかし、彼女の長い髪は、それを許さなかった…。
伊藤潤二先生の、屋根裏の長い髪を紹介します。
概要
あらすじ
チエミは、ショートヘアーの似合う女の子。
ある日、彼氏の平塚が、自分はロングヘアーが好きだというので髪を伸ばし始めた。
しかし、髪が腰のあたりまで伸びたころ、平塚は別れを告げてくる。
翌日、チエミの首無し死体が発見された。
せっかく伸ばしたのに!
オレ、マジメな子って好みじゃないんだ。
ぶっ殺す!
登場人物
チエミ
ロングヘアーのお姉ちゃん。彼氏のために、髪を伸ばす。
エリ
ミディアムヘアーの妹。やたらと元気がある。
平塚
チエミの彼氏。ロングヘアーが好み。
物語の内容
チエミの首がない
チエミは、鋭利な刃物で切断されたらしい。首は見つかっていない。
そのころ、平塚の自宅に奇妙な電話がかかってくる。
「ギッギッギ」
「はは~ん、お前チエミだな。ふられた腹いせにいやがらせか?」
ガチャン
平塚は、チエミが一週間前に亡くなったことを思い出す。なぜ、チエミからの電話だと思ったのだろう?
「そういえば…あの音…」
ギッギッギ
「チエミの歯ぎしりに似ているんだ」
美人の歯ぎしりかぁ~。興奮するね!
屋根裏で首を発見
チエミの実家。
妹のエリは、チエミの部屋に仕掛けたネズミトラップを回収しに、屋根裏へ上がった。
真っ暗な屋根裏。その中を、懐中電灯で照らすと。何かが目に入る。
チエミの生首が、梁(はり)に髪をひっかけて、ぶら下がっていた。
Oh my…
髪さんブチ切れ
「お姉ちゃん」
チエミの髪が、彼女の口の中に入り込み、歯を食いしばらせた。
ギッギッ
そして、生首は髪に引っ張られるかのようにのたうち回り、家の外へ出ていく。
目的地でもあるのか、そのままどこかへってしまった…。
ドコニイクノカナー?
感想
髪が意思を持っていたら、さもありなん。
”オレは、長い髪が好きだから伸ばせ”
とか言っておいて、いざとなると
”おまえはオレに合わない”
とか言って別れ話を持ち出す。
おまけに、”あいつは嫌いなタイプ”とか陰口を抜かす、まるでダメな男・平塚。
これでは髪が怒るのも当然でしょう。
むしろ、チエミの聞き分けが良すぎる。本当なら、怒髪天になるべきです。
…髪だけに。
まとめ
以上、伊藤潤二先生の屋根裏の長い髪でした。
身勝手な男に振り回された、チエミと髪のお話。
それにしても、復讐するのはいいけれど、なぜチエミを巻き込んだのだろう?
男に降られて、髪には殺害されて…。チエミが不憫(ふびん)です。
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