さっくりと読めるトワイライト・ゾーン(不可思議)に興味はありませんか?
浜慎二先生のSF恐怖入門はSF系トワイライト・ゾーンをメインにした短編集です。
絵柄が少し古いですが、何度も再版されている浜先生の代表作です。トワイライト好きならきっと楽しめるでしょう。
おすすめ度 | |
トワイライト | |
社会風刺 | |
SF |
SF恐怖入門ってタイトルだけど、ホラー要素はあまりないよ。
ひとり静か…
「近いうちに核戦争が起こる!」と豪語し、マスコミから天才か?変人か?と言われている桑畑博士。
そんな博士には望みがあった。それは豊富な資金を手に入れて俗世から離れ、ひとり静かに研究に打ち込むというもの。ここでタイトル回収。
そしてある日、博士宅に強盗団(財宝付き)が押し入ってくるが、博士はこれをチャンスだととらえる。
博士は強盗団をそそのかして殺害し、彼らが持っていた財宝を奪う。そして「近いうちに核戦争が起こる」という自身の予測に従い、15年の人工冬眠に入る。
15年後、目を覚ました博士は愕然とする。核戦争の予想は当たったものの、なんと核爆発直後というタイミングで目を覚ましてしまったのだった。
あたり一面の荒野、放射線が降り注ぐ中、博士はひとり静かに狂笑を挙げる。タイトル回収(2回目)
博士は「自分が間違えたことは一度もない」と言って、周囲の人間を見下しまくってるんだ。
だけど最後の最後、よりによって一番大切な時に初めて計算違いを犯してしまうんだ。
やっちまったぜ!
秋も終わりの日に…
大学三年生の主人公が、パーティーの帰り道で怪しげな老人から声をかけられる。
「ワシの財産相続人になってほしい。」
不審に思う主人公だったが、「前金」と称して預金通帳(100万円入り)を手渡されると有頂天になり、
「はい、引き受けますとも!」と、安請け合い。
後日、老人から鞄いっぱいに入った札束を受け取ると、祝い酒と称してべろんべろんになる主人公。と、ここにきて老人が相続人になる条件を提示してくる。
「あなたの未来と、わたしの未来を交換してもらいたい。」
主人公が出した答えは…。
おいしい話には裏がある、を地で行く物語だね。
大量の現金を渡して有頂天にし、泥酔させたところで条件を出してくる。
老人の悪意が半端ないよ。
やばい、逃げて!
白骨の使者
とある葬儀社の主人はお金儲けが大好き。救急車のサイレンを聞くとそろばんをはじきだす、ちょっと不謹慎なお方。
ある夜、葬儀社にコートを身にまとった男が現れ、
「棺桶を10人分、用意してもらいたい。」と言って、前金を置いていく。
軽く犯罪臭がするものの、主人は「商売だから」と棺桶10個をトンテンカンテン用意する。
後日コートの男と複数人の男女が葬儀社を訪れるが、様子がおかしい。全身びちょびちょに濡れた着物の女性に、泥だらけの男性。
「実は我々は死人なのです。この棺桶を使って我々の葬式を執り行ってくれませんか?」
不謹慎な主人の対応や如何に!?
不謹慎おやじだからね、お察しくださいといったところだよ。
お化けも人を選ぶべきだったね。
頼る人を間違えてるし、頼られた側も困っちゃうよね。
まとめ
以上、浜慎二先生のSF恐怖入門でした。
タイトルに反してホラー要素は控えめですが、トワイライト・ゾーンとしては秀逸な作品が収録されています。
浜慎二先生の代表作に挙げられるのも納得の作品ですわよ。
SFトワイライト入門の方が内容にふさわしいかも?
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